Article
量子物理学:マイクロ波光子計数器を用いた蛍光によるスピンの検出
Nature 600, 7889 doi: 10.1038/s41586-021-04076-z
量子エミッターは、吸収したエネルギーの一部を放射することによって、共鳴照射に応答する。この放射場の1つの成分は駆動トーンと位相コヒーレントだが、もう1つの成分はインコヒーレントで、自然放出光子からなり、蛍光信号を形成する。原子、分子、色中心は、それらが発する光周波数の蛍光によって日常的に検出されており、量子技術や顕微鏡法における応用は重要である。これに対して、電子スピンは、それらがマイクロ波駆動パルスに応答して放出する位相コヒーレントなエコーによって検出されることが多い。電子スピンの放射のインコヒーレント部分(個々のスピン緩和事象時に自然放出されるマイクロ波光子の流れ)は、スピンの放射減衰速度が低い上に、単一マイクロ波光子検出器(SMPD)がないため、これまで観測されていなかった。今回我々は、超伝導量子デバイスを用いて、シリコン中のドナースピン小集団を、それらのマイクロ波周波数の蛍光によって、ミリケルビン温度で検出したことを実証する。我々は、スピンをQ値が高くモード体積の小さい超伝導共振器と結合させることによってそれらの放射減衰速度を高めるとともに、そのデバイス出力を、超伝導キュービットを用いて新たに開発したSMPDと接続した。さらに我々は、SMPDを用いてスピンエコーを検出できること、また、エコーと蛍光の両方の検出によって標準的なスピン特性測定(ラビ章動と分光)を実現できることを示す。我々は、少数スピンの磁気共鳴分光法としてのSMPD検出の可能性を考察する。

