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分子生物学:アルデヒドによって誘導される転写ストレスは食欲減退性のDNA損傷応答を引き起こす

Nature 600, 7887 doi: 10.1038/s41586-021-04133-7

内因性のDNA損傷は転写を撹乱する可能性があり、多面的な細胞応答を引き起こして、損傷修復、RNAポリメラーゼIIの分解、全体的な転写停止をもたらす。こうした応答は、ヒト疾患であるコケイン症候群[CSA(cockayne syndrome A)またはCSBタンパク質の喪失に起因する]では見られない。しかし、内因性DNA損傷の原因や、この損傷がコケイン症候群での特徴的な退行性の変化につながる仕組みについては、明らかにされていない。今回我々は、内因性のホルムアルデヒドが転写を妨げ、顕著な生理学的帰結をもたらすことを見いだした。ホルムアルデヒドのクリアランスが起こらない(Adh5−/−)、CSBを欠損した(Csbm/mCsbの別名はErcc6)マウスは、悪液質と神経変性を発症し、ヒトのコケイン症候群に類似した特徴である腎不全に陥る。我々は、単一細胞RNA塩基配列解読を用いて、ホルムアルヒドによって誘導される転写ストレスが、腎臓近位尿細管細胞のサブセットで食欲減退ペプチドGDF15の発現を亢進することを見いだした。抗GDF15抗体によりこの応答を阻害すると、Adh5−/− Csbm/mマウスの悪液質が軽減された。従って、CBSは内因性ホルムアルデヒドによるDNA損傷から腎臓と脳を保護する一方で、食欲減退性の内分泌シグナルも抑制している。このシグナルの活性化は、コケイン症候群で見られる悪液質や、化学療法によって誘発される食欲減退による体重減少に関与している可能性がある。このような応答に対して考えられる進化上の目的は、食物中の遺伝毒性物質に対する忌避を確実にすることである。

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