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微生物生態学:海草と海洋細菌の間の陸上型の窒素固定共生関係
Nature 600, 7887 doi: 10.1038/s41586-021-04063-4
分子状窒素(N2)を固定する共生微生物は、窒素が制限された環境での真核生物による窒素同化において極めて重要な役割を担っている。とりわけ陸上植物の間では、遠縁のさまざまな植物系統にN2固定共生者が存在し、宿主と共生者の間で密接な関係が築かれている場合が多い。しかし、そうした密接な共生関係は、海草(約1億年前に、海中へ戻った陸上顕花植物から進化した)に関しては明らかにされていない。本論文では、N2固定共生細菌である「Candidatus Celerinatantimonas neptuna」について報告する。この細菌は、海草の根の組織内に生息しており、糖類と引き換えに宿主にアンモニアとアミノ酸を提供している。従って、この共生関係は陸上の植物に見られるN2固定共生を連想させる。Ca. C. neptunaとその宿主である海草Posidonia oceanicaのこうした共生が、窒素の制限された地中海において生産力の高い海草藻場の繁茂を可能にしている。Ca. C. neptunaに近縁な細菌は世界各地の沿岸生態系に存在しており、同様の共生関係を他の海草や塩生湿地植物と築いている可能性がある。N2固定微生物が、初期の陸上植物の窒素欠乏土壌への定着を助けた可能性があるのと同様に、Ca. C. neptunaやその近縁種の祖先もおそらく、窒素に乏しい海洋環境への顕花植物の進出を可能にし、そこで極めて効率的なブルーカーボン生態系を形成したと考えられる。

