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がん:腫瘍のDDR1はコラーゲン繊維の整列を促進して免疫排除を引き起こす
Nature 599, 7886 doi: 10.1038/s41586-021-04057-2
免疫排除によって、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)をはじめとするさまざまな悪性腫瘍の患者の予後が悪くなる。免疫排除には細胞外マトリックス(ECM)が関わっているが、ECM量を減少させる戦略のほとんどは、効果がないか、望ましくない結果につながる。今回我々は、チロシンキナーゼ活性を持つコラーゲン受容体であるDDR1(discoidin domain receptor 1)が、コラーゲン繊維の整列を促進することによって免疫排除を引き起こすことを示す。TNBCのマウスモデルにおいて腫瘍のDdr1を除去すると、腫瘍内へのT細胞浸潤が促進され、腫瘍増殖が完全に止まった。この知見を裏付けるように、ヒトTNBCではDDR1の発現が、腫瘍内の抗腫瘍性T細胞の存在量と負に相関していた。免疫排除にはDDR1の細胞外ドメイン(DDR1-ECD)が必要だが、細胞内のキナーゼドメインは必要ではない。膜に繋留されていないDDR1-ECDは、正常な免疫機能を持つ宿主でDdr1ノックアウト腫瘍の増殖を回復させるのに十分であった。機構としては、DDR1-ECDのコラーゲンへの結合がコラーゲン繊維を整列させ、免疫細胞の浸潤を妨げる。正常な免疫機能を持つ宿主にECD中和抗体を投与すると、コラーゲン繊維の整列が妨げられ、免疫排除が軽減し、腫瘍増殖が阻害された。まとめるとこれらの知見は、免疫排除の機構を明らかにするとともに、腫瘍ECMの再構築によって免疫細胞の接近可能性を高めるための免疫治療標的を示唆している。

