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素粒子物理学:ニュートリノ振動測定のための電子ビームエネルギーの再構成

Nature 599, 7886 doi: 10.1038/s41586-021-04046-5

ニュートリノは、電子ニュートリノ、ミューニュートリノ、タウニュートリノという3つの種類、すなわち「フレーバー」のいずれかで存在し、空間を伝播する際に、あるフレーバーから別のフレーバーに振動する。この現象は、素粒子物理学の標準模型では記述できない数少ない現象の1つであり、そのためその実験的研究から、我々の宇宙の性質に関する新たな知見を得ることができる。ニュートリノは、その伝播距離(L)をエネルギー(E)で除した量の関数として振動する。従って、実験では、異なる場所でのニュートリノのエネルギー分布を測定することによって振動パラメーターが得られる。加速器を使った振動実験では、Eを直接測定できないため、こうした実験の解釈は、Eを推測する、ニュートリノ–原子核相互作用の現象論的モデルに大きく依存している。今回我々は、電子–原子核相互作用とニュートリノ–原子核相互作用の類似性を利用し、ビームエネルギーが既知の電子散乱データを用いて、エネルギー再構成の方法と相互作用モデルを検証した。その結果、パイ中間子が全く検出されない単純な相互作用においてさえ、正しい入射エネルギーに再構成されるのはごく一部の事象だけであることが見いだされた。さらに重要なことに、広く使われている相互作用モデルでは、再構成されたエネルギー分布は定性的にしか再現されず、その再現の質はビームエネルギーによって大きく変わる。このことから、ハイパーカミオカンデ(日本)やDUNE(米国)などの次世代の高精度実験での要求を満たすため、現状のモデルを改良する必要性とその道筋が示された。

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