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神経回路:皮質内結合と回路機能のヒト特異的な調整因子
Nature 599, 7886 doi: 10.1038/s41586-021-04039-4
ヒトを特徴付ける認知能力は、皮質–皮質結合性の増加など、ヒト脳の皮質回路構造の独特な性質から生まれると考えられている。しかし、こうした結合性の変化の進化的起源や、そうした変化が皮質回路の機能と行動にどのように影響したかは、現在のところ分かっていない。ヒト属系統の祖先ゲノムにヒト特異的な遺伝子重複SRGAP2Cが生じたのは、脳容量増大の主要な時期より前だった。マウスでSRGAP2Cタンパク質を発現させると、皮質第2/3層の錐体ニューロン(PN)が受ける興奮性・抑制性シナプスの密度が増加する。今回我々は、SRGAP2Cの発現に誘導される第2/3層PNが受ける興奮性シナプスの増加は、局所性および長距離性の皮質–皮質結合の特異的な増加に由来することを明らかにする。全ての皮質PNでSRGAP2Cを発現させてヒト化したマウスは、感覚刺激で活性化される第2/3層PNの割合が変化し、皮質依存的な感覚弁別課題を学習する能力が向上した。計算モデルによって、SRGAP2Cの発現で誘導される皮質第4層から第2/3層への結合の増加で、感覚符号化特性の重要な変化の一部を説明できることが示された。今回の結果は、ヒト属系統誕生時のSRGAP2C遺伝子の出現が、ヒト皮質の皮質内回路の特異的な構造・機能特性の進化に寄与したことを示唆している。

