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物性物理学:ファンデルワールスヘテロ構造における人工的な重フェルミオン
Nature 599, 7886 doi: 10.1038/s41586-021-04021-0
重フェルミオン系は、物質の典型的な強相関状態の1つである。重フェルミオン系は、量子臨界や非フェルミ液体挙動から非従来型のトポロジカル超伝導まで、さまざまなエキゾチック挙動を調べるプラットフォームとして用いられてきた。重フェルミオン現象は、近藤格子の物理につながる局在磁気モーメントと伝導電子の交換相互作用から生じるものであり、量子物質における長年の未解決問題の1つとなっている。近藤格子では、交換相互作用によって、重い有効質量を持つバンドが生じる。この興味深い現象はこれまで、4f電子か5f電子を持つ希土類元素を含む化合物でしか実現されていない。今回我々は、1T/1H-TaS2ヘテロ構造において、格子の局在磁気モーメントと遍歴電子の近藤結合から人工的な重フェルミオンが出現する、デザイナー・ファンデルワールスヘテロ構造を実現した。走査型トンネル顕微鏡法と分光法を用いてこのヘテロ構造を調べたところ、単層の積層順に応じて、局在磁気モーメントとそれに伴う近藤効果か、重フェルミオン混成ギャップを持つ伝導電子のいずれかを明らかにできることが示された。今回の実験は、二次元の人工的な重フェルミオン系において多体相関の増強、量子臨界の次元性の調整、非従来型の超伝導を探る将来の実験のための、究極的に調整可能なプラットフォームを実現するものである。

