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構造生物学:未変性のグリシン受容体の構造と集合の仕組み

Nature 599, 7885 doi: 10.1038/s41586-021-04022-z

グリシン受容体(GlyR)は五量体構造を持つ「Cys-ループ」受容体で、塩素イオンを透過させるチャネルを形成し、中枢神経系の全域で速い抑制性シグナル伝達を担っている。脊髄と脳幹では、GlyRは移動運動を調節しており、その変異は運動障害の原因となる。しかし、未変性のGlyRの化学量論的性質や集合の仕組みは、広く研究されているものの、いまだに明らかになっていない。今回我々は、ブタ脊髄および脳幹由来の未変性のGlyRのクライオ電子顕微鏡構造を報告する。この結果から、ヘテロマー受容体の構造に関する手掛かりが得られ、ヘテロマーの主なサブユニット構成は4α:1βであることが明らかになった。五量体ヘテロマー中では、β(+)–α(−)界面はα(+)–α(−)界面やα(+)–β(−)界面とは異なる構造をとっている。さらに、βサブユニットには、ポア内に位置する珍しいフェニルアラニン残基が含まれ、カノニカルなピクロトキシン結合部位が破壊されている。これらの結果によって、βサブユニットが含まれることで受容体の対称性が破れ、イオンチャネルの薬理学的性質が変化する理由が説明される。また我々は、不完全な受容体複合体を見つけ出して、その構造を調べ、α三量体およびα四量体という部分的に集合した構造であることを明らかにした。

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