Review
物性物理学:積層された2D半導体における励起子と創発的量子現象
Nature 599, 7885 doi: 10.1038/s41586-021-03979-1
物質界面の設計と制御は、技術的に有用な効果を実現し、材料特性を工学的に設計するための基本的な方法の1つである。これは特に、ファンデルワールス積層法によって異種材料の自由な積層が可能になり、目的に応じて高度に調整可能な界面を形成できる、二次元(2D)材料に当てはまる。最近相次いでいる、典型的な2D半導体群である遷移金属ジカルコゲニド(TMD)の積層2層構造の励起子に基づく発見の数々は、これに支えられている。こうした2層構造では、電荷、スピン、モアレ超格子構造と多体効果とのエレガントな相互作用によって、多様な励起子現象や相関物理が生じる。本論文で我々は、量子光学や多体効果の研究におけるTMD二重層の多用性を浮き彫りにする最近の発見のいくつかを概説する。我々はまた、この分野における未解決の課題を特定するとともに、新たに発見された強誘電材料や磁性材料を組み込んで対称性を操作することでこうした優れた工学材料を新たなレベルで制御するといった、TMD二重層などでの励起子物理学の可能性を最大限に引き出すためのロードマップを提示する。

