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ゲノミクス:タリム盆地で出土した青銅器時代のミイラのゲノム起源

Nature 599, 7884 doi: 10.1038/s41586-021-04052-7

内陸アジアの中心に位置する新疆ウイグル自治区(中国)の最初の居住者の正体、そしてその集団が話していた言語については、長年議論が続いており、今なお異論がある。本論文では、ジュンガル盆地の紀元前3000~2800年頃の5個体およびタリム盆地の紀元前2100~1700年頃の13個体のゲノムデータを提示する。これらはそれぞれ、新疆の北部と南部で出土したこれまでで最初期のヒト遺骸である。得られたデータから、前期青銅器時代のジュンガル盆地の個体は主にアファナシェヴォ人を祖先とし、加えて同地域の系統の寄与も受けていた一方、前期~中期青銅器時代のタリム盆地の個体は同地域の系統のみを含むことが明らかになった。タリム盆地の小河墓遺跡で発見された個体からはさらに、歯石中に乳タンパク質の存在を示す強力な証拠が得られ、この地で居住が始まった当初から人々が酪農牧畜に依存していたことが示された。今回の結果は、タリム盆地のミイラが、アファナシェヴォ人を祖先とするトカラ祖語を話す牧畜民である、あるいは、バクトリア・マルギアナ考古学複合または内陸アジア山地回廊(Inner Asian Mountain Corridor)文化に由来する、とした以前のいずれの仮説も支持しない。対照的に、トカラ語は前期青銅器時代にアファナシェヴォからの移住者によってジュンガル盆地にもたらされた可能性が高いものの、タリム盆地の最初期の文化は、近隣の牧畜民および農耕民の習慣を取り入れた遺伝的に隔離された集団において出現したと見られることが分かった。タリム盆地の人々はこうした文化によって、タクラマカン砂漠の移動性の河川オアシスに沿って定住・繁栄できたと考えられる。

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