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細胞生物学:ニューロフィブロミンのアイソフォーム2型の構造から明らかになった多様な機能状態

Nature 599, 7884 doi: 10.1038/s41586-021-04024-x

一遺伝子性の常染色体顕性(優性)遺伝疾患である神経繊維腫症I型(NF1)はおよそ3000人に1人の割合で見られ、腫瘍抑制遺伝子NF1の変異によってニューロフィブロミン(Nf1)タンパク質が機能不全になることが原因である。GTPアーゼ活性化タンパク質としてのNf1の主な機能は、がん遺伝子Rasのシグナル伝達カスケードの抑制である。今回我々は、ヒトNf1二量体の構造を、3.3 Åの総合分解能で決定した。このクライオ電子顕微鏡構造からドメインの構成が明らかになり、また、Nf1エキソン23aのスプライシングアイソフォーム2型の構造の詳細が、Znによって安定化された閉じた自己阻害型の状態と開いた状態で明らかになった。閉じたコンホメーションでは、HEAT/ARMコアドメインがGRD(GTPase-activating protein-related domain)を覆っているため、Rasの結合が立体的に阻害されている。もう1個のプロトマーのこれとは明確に異なる開いたコンホメーションでは、GRDの大規模な移動が起こっていて、Rasが接近するにはこの移動が必要である。ここではまた、Sec14-PHの方向が変わって、細胞膜との相互作用が可能になっている。Nf1をZnと共にインキュベートすると、どちらのプロトマーでもN-HEAT/ARMドメインとGRD–Sec14-PHリンカーの間のZn結合部位によって自己阻害型の閉じたコンホメーションが安定化されて、Ras-GAP活性の低下が起こる。Nf1が、閉じた自己阻害型の状態と開いた状態との間を移行することは、広く見られる神経繊維腫症候群や発がんにおけるNf1機能不全の背後にある複雑な分子機構を解明するための標的化研究を導く手掛かりとなるだろう。

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