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微生物学:赤痢菌はカスパーゼ-11のアルギニンADPリボキサネーションによってピロトーシスを回避する

Nature 599, 7884 doi: 10.1038/s41586-021-04020-1

マウスのカスパーゼ-11とヒトのカスパーゼ-4および5は、細胞質のリポ多糖(LPS)を認識して膜孔形成タンパク質であるGSDMDを切断することでピロトーシスを誘導する。この非カノニカルなインフラマソームはグラム陰性細菌に対する防御となる。フレクスナー赤痢菌(Shigella flexneri)は、細菌性赤痢の原因であり、これらのカスパーゼが存在する宿主の細胞質内で自由に生息する。しかし、フレクスナー赤痢菌感染におけるカスパーゼ-11を介するピロトーシスの役割は明らかではない。本研究で我々は、カスパーゼ-11は、細胞質に生息する別の細菌であるバークホリデリア属細菌Burkholderia thailandensisの感染とは対照的に、フレクスナー赤痢菌感染からマウスを防御しないことを示す。フレクスナー赤痢菌は、III型分泌装置(T3SS)のエフェクターであるOspC3によって、カスパーゼ-11あるいはカスパーゼ-4(以後カスパーゼ-11/4と表記)を介するピロトーシスを回避した。OspC3は、カスパーゼ-11/4を共有結合で修飾したが、そのパラログであるOspC1およびOspC2ではそうした修飾は見られなかった。この修飾は、OspC3はNAD+の供与体を使用するが、ADPリボシル化ではなかった。生化学的な解析により、カスパーゼ-4/11のアルギニン314/310における、ADPリボキサネーション(riboxanation)修飾が明らかとなった。この酵素活性は、OspC1とOspC2も有しているが、それらのアンキリン反復ドメインはOspC3のものとは異なり、カスパーゼ-11/4を認識できなかった。アルギニンのADPリボキサネーションは、カスパーゼ-4/11の自己プロセシングや、それらによるGSDMDの認識および切断も阻害した。カスパーゼ-11のADPリボキサネーションは、赤痢菌に感染したマウスでのピロトーシスを介する防御を無効にし、ospC3の変異は、カスパーゼ-11とGSDMDに依存的な抗赤痢菌体液性免疫を誘発し、ワクチン様の防御効果をもたらした。本研究によって、アルギニンのADPリボキサネーション修飾が、LPSによって誘導されるピロトーシスを防ぐ細菌の病原性機構であることが明らかになった。

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