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物性物理学:強結合カゴメ超伝導体におけるロトン対密度波

Nature 599, 7884 doi: 10.1038/s41586-021-03983-5

遷移金属カゴメ格子物質には、フラストレート状態、相関状態、トポロジカル量子状態といった物質状態が存在する。最近、トポロジカルバンド構造を持つ新たなバナジウム系カゴメ金属群AV3Sb5(AはK、Rb、Csのいずれか)が発見された。こうした層状化合物は、非磁性で、低温で超伝導が生じる前に電荷密度波転移を経る。今回我々は、走査型トンネル顕微鏡/分光法とジョセフソン走査型トンネル分光法を用い、CsV3Sb5において非従来型超伝導と対密度波(PDW)を観測したことを報告する。CsV3Sb5は、V字型の対ギャップΔ ~ 0.5 meVを示し、4a0一方向電荷秩序や2a0 × 2a0電荷秩序と共存する強結合超伝導体(2Δ/kBTc ~ 5)であることが見いだされた。注目すべきことに、我々はトンネリングコンダクタンスにおいて、超伝導ギャップ、コヒーレンスピーク、ギャップ深さの二方向4a0/3空間変調を伴う3Q PDWを発見した。我々はこの新たな量子状態を、その根底にあり、観測されたコンダクタンス変調を説明できる渦–反渦格子に関連して「ロトンPDW」と呼ぶ。印加磁場における渦ハロー、超伝導を抑制する強磁場、Tcを超える温度でのゼロ磁場において電子状態を調べることにより、このPDWが、創発的擬ギャップや絡み合った電子秩序の原因となる基本状態であることが明らかになった。今回の知見は、高Tc銅酸化物超伝導体の現象論との顕著な類似点と差異を示しており、バナジウム系カゴメ金属における相関電子状態や超伝導の微視的起源を理解するための基礎をもたらすものである。

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