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神経科学:向社会的相互作用における親和的接触の神経制御

Nature 599, 7884 doi: 10.1038/s41586-021-03962-w

他者を助けて気遣うことは、社会的結束を育み、ヒトなどの社会的動物種の身体的・情動的充足に必須である。社会的グルーミング(他個体に対して行うグルーミング行動)などの親和的な社会的接触は、他者に充足感を与える向社会的行動の主要なものである。親和的接触は、個体間の社会的絆を形成・強化し、苦しんでいる同種他個体の慰撫に役立つ。しかし、向社会的な親和的接触を促す神経回路はこれまで明らかになっていない。本論文では、マウスが苦しんでいる仲間に向けて、親和的な社会的グルーミング行動を行い、これが慰撫効果をもたらすことを示す。社会的グルーミングは、さまざまなストレス要因に応じて増加し、苦しんでいる個体の発する嗅覚手掛かりによっても引き起こされ得る。我々は、微小内視鏡カルシウム画像化法を用いて、内側扁桃体(MeA)の神経活動が、平常状態の同種個体に対する場合と苦しんでいる同種個体に対する場合では異なり、社会的グルーミング行動を符号化していることを見いだした。さらに、交差的機能操作実験によって、親和的な社会的グルーミングの制御にMeAが直接の因果的役割を持つことが明らかになり、MeAのGABA作動性(γアミノ酪酸を発現する)ニューロンのうちタキキニンを発現する選ばれた部分集団が、内側視索前野への投射を介して、この行動を促していることも分かった。本研究は、マウスが向社会的な慰撫行動を行うことを実証するとともに、その向社会的相互作用中の親和的接触の符号化・制御の基盤となる神経回路機構を明らかにするものである。

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