Article

物性物理学:カゴメ超伝導体CsV3Sb5における相関電子状態のカスケード

Nature 599, 7884 doi: 10.1038/s41586-021-03946-w

遷移金属原子のカゴメ格子は、幾何学的フラストレーションや非自明なバンドトポロジーの存在下で電子相関を調べるための非常に興味深いプラットフォームとなり、予想外の結果をもたらし続けている。今回我々は、分光イメージング走査型トンネル顕微鏡法を用い、新たなカゴメ超伝導体CsV3Sb5において、対称性の破れたさまざまな電子状態の温度依存カスケードを発見した。我々は、超伝導転移温度Tc ~ 2.5 Kをはるかに上回る温度において、格子の並進対称性を破る2a0周期の三方向電荷秩序を明らかにする。系をTcに向かって冷却すると、フェルミ準位における顕著なV字型のスペクトルギャップの開きと、超伝導転移を通して持続するさらなる6回回転対称性の破れが観測された。この回転対称性の破れは、微分コンダクタンスマップにおいて、さらなる4a0一方向性電荷秩序と強い異方性散乱の出現として観測された。後者は、バナジウム・カゴメバンドの軌道選択的繰り込みに直接起因している可能性がある。今回の実験結果は、カゴメ格子上で共存し得る複雑な電子状態ランドスケープを明らかにするとともに、高Tc超伝導体やねじれ2層グラフェンとの興味深い類似点を浮き彫りにしている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度