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がん:KDM5BはSETDB1を動員してレトロエレメントをサイレンシングすることにより免疫回避を促進する
Nature 598, 7882 doi: 10.1038/s41586-021-03994-2
腫瘍はさまざまな戦略を使って免疫監視機構から逃れようとする。免疫チェックポイント阻害のような、腫瘍の免疫回避を標的とする免疫療法は多数のがんでかなりの有効性が見られているが、多くの患者では一次耐性や獲得耐性のために効果がなくなる。最近の研究で、一部のエピジェネティック調節因子が抗腫瘍免疫を抑制することが示され、エピジェネティック療法が抗腫瘍免疫応答を増強して、現在の免疫療法への耐性を克服できる可能性が示唆された。今回我々は、マウス黒色腫モデルで、黒色腫の維持と薬剤耐性に重要なH3K4デメチラーゼであるKDM5Bが失われると、堅固な適応免疫応答が誘導され、免疫チェックポイント阻害への応答が増強されることを示す。作用機構としては、KDM5BはH3K9メチルトランスフェラーゼであるSETDB1を誘引して、MMVL30のような内因性のレトロエレメントをデメチラーゼ非依存的に抑制する。このようなレトロエレメントの抑制が解除されると細胞質のRNA感知経路やDNA感知経路が活性化され、続いてI型インターフェロン反応も活性化されて、これが腫瘍拒絶と免疫記憶の誘導につながる。我々の結果は、KDM5Bがレトロエレメントのエピジェネティックサイレンシングによって抗腫瘍免疫を抑制することを明らかにしている。これらの結果は、ヘテロクロマチン調節と黒色腫での免疫回避におけるKDM5Bの役割を明らかにしていて、KDM5BとSETDB1をそれぞれ標的として、腫瘍の免疫原性を強化し、免疫療法への耐性を克服する治療法の開発への新たな道を開くものだ。

