Article

免疫学:腸の分泌型IgAの並行性が細菌の機能的適応度を形作る

Nature 598, 7882 doi: 10.1038/s41586-021-03973-7

哺乳類では、微生物相の非病原性タクソンに応答して粘膜を介して分泌される二量体IgAが、抗体産生の大部分を占める。ポリクローナルな粘膜IgA抗体応答の中では、さまざまな結合特異性が検出できるが、抗原特異性や多反応性結合を、in vivoで微生物の生理的状態に及ぼす機能的影響に関連付けるには、研究されているモノクローナルハイブリドーマが限られている。今回我々は、マウスで、組換え二量体モノクローナルIgA(mIgA)を用いて、単一細菌による細菌定着に対する腸の形質細胞応答を詳細にマッピングした。その結果、表面や非表面の特定の膜抗原を標的とするさまざまな抗原特異的mIgA分子が見つかった。異なる抗原を標的とする個々の二量体mIgAをin vivoで分泌させると、主に特異的結合を介して、腸内細菌の機能や代謝に明確な変化が起こることが分かった。同一の細菌抗原を標的とした場合でも、細菌の代謝変化はIgAエピトープ特異性に依存して異なっていた。対照的に、細菌表面を覆うことで、一般的に運動性が低下し、胆汁酸の毒性が抑制された。従って、単一細菌に対する全体的な腸IgA応答には並行した構成要素が含まれており、これらは細菌の炭素源取り込み、バクテリオファージ感受性、運動性、膜の完全性に対して異なる影響を及ぼしている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度