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エネルギー科学:固体電池向けの銅配位セルロースイオン伝導体
Nature 598, 7882 doi: 10.1038/s41586-021-03885-6
固体リチウム(Li)金属電池は、高いエネルギー密度と安全性の両方が期待できるが、既存の固体イオン伝導体は、電池動作の厳しい必要条件を満たすことができていない。無機イオン伝導体は、高速イオン輸送を可能にするが、硬くて脆い性質のため、電極との良好な界面接触が妨げられている。一方、Li金属に対して安定なポリマーイオン伝導体では、より優れた界面適合性と機械的耐久性が得られることが多いが、概して、イオン輸送とポリマー鎖の運動が合わさるためにイオン伝導性が劣るという問題がある。今回我々は、分子チャネルを操作することによって高性能固体ポリマーイオン伝導体を実現する一般的な戦略について報告する。我々は、一次元セルロースナノフィブリルを銅イオン(Cu2+)に配位させることによって、通常はイオン絶縁性であるセルロース内に分子チャネルが開かれ、ポリマー鎖に沿ったLi+イオンの高速輸送が可能になることを示す。このCu2+配位セルロースイオン伝導体は、高いLi+伝導度(室温で分子鎖方向に沿って1.5 × 10−3 S cm−1)に加え、0.78という高い輸率(他のポリマーでは0.2~0.5)と、Li金属アノードと高電圧カソードの両方に対応できる広い電気化学的安定窓(0~4.5 V)も示す。また、この一次元イオン伝導体は、高エネルギー密度電池用の厚いLiFePO4固体カソードにおけるイオン浸透も可能にする。さらに我々は、分子チャネルを操作する今回の方法の普遍性を、他のポリマーやカチオンを用いて実証し、同様に高い伝導度を達成した。これは、安全な高性能固体電池を超える可能性を示唆している。

