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遺伝学:慢性肝疾患における代謝遺伝子の収斂的な体細胞変異

Nature 598, 7881 doi: 10.1038/s41586-021-03974-6

慢性肝疾患の肝細胞がんへの進行は、20〜30のがん遺伝子に影響を及ぼす体細胞変異の獲得によって引き起こされる。慢性肝疾患では正常な肝臓に比べ、体細胞変異量が多くてクローン拡大が大きいため、ゲノムの全体像を形作る正の選択が可能になる。今回我々は、健康な対照、アルコール関連肝疾患、非アルコール性脂肪肝疾患を含む、34の肝臓試料の1590例のゲノムに由来する体細胞変異を解析した。その結果、肝疾患患者29人のうち7人で、インスリンシグナル伝達の主要な転写因子であるFOXO1に変異が見られることが分かった。これらの変異は、この遺伝子内の単一ホットスポットに影響を及ぼし、インスリンを介したFOXO1の核外輸送を障害した。特に、FOXO1S22Wホットスポット変異を持つ7人の患者のうち6人は収斂進化を示し、これらのバリアントは、患者1人当たり最大9種類の肝細胞クローンによってそれぞれ独立に獲得されていた。また、肝細胞の脂肪滴代謝を調節するCIDEBと、遊離脂肪酸から貯蔵トリアシルグリセロールを産生するGPAMにも、有意に過剰な変異が見られた。これらの変異にも頻繁な収斂進化が観察され、CIDEB変異を持つ患者では1人当たり最大14種類の独立したクローンが、GPAM変異を持つ患者では1人当たり最大7種類のクローンが見られた。代謝遺伝子の変異は、肝臓の複数の解剖学的区域にわたって分布しており、クローンサイズが大きく、アルコール関連肝疾患と非アルコール性脂肪肝疾患の両方に見られたが、肝細胞がんではまれにしか見られなかった。代謝経路のマスター調節因子は、アルコール関連肝疾患および非アルコール性脂肪肝疾患において、収斂的な体細胞変異の標的であることが多かった。

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