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物性物理学:菱面体晶3層グラフェンにおける超伝導
Nature 598, 7881 doi: 10.1038/s41586-021-03926-0
電界効果による超伝導を、清浄な二次元デバイスにおいて実現することは、ナノエレクトロニクスの中心的な目標である。最近、グラフェンモアレヘテロ構造において超伝導が実現されたが、こうした構造の多くは機械的に不安定であり、実験によって強い乱れの特徴が示されている。今回我々は、構造的に準安定な炭素同素体である菱面体晶3層グラフェン結晶において、サブケルビン温度で低抵抗もしくは消失しつつある抵抗として現れる超伝導を観測したことを報告する。超伝導は、ゲート調整された2つの別個の領域(SC1とSC2)で起こり、平均自由行程と超伝導コヒーレント長の比で定義される清浄極限深くにある。量子振動による常伝導状態のフェルミ面のマッピングによって、どちらの超伝導体も環状のフェルミ海から現れ、フェルミ面縮退が変化する、アイソスピン対称性を破る転移の近くに存在することが明らかになった。SC1は常磁性常伝導状態から現れるのに対し、SC2は、スピン分極しバレー分極していないハーフメタルから現れ、面内磁場の場合はパウリ極限を少なくとも1桁超えていた。我々は、今回の結果を、従来のフォノン媒介対形成、近接アイソスピン秩序のゆらぎに起因する対形成、環状フェルミ液体の本質的不安定性を含む、いくつかの機構を考慮して考察する。今回の清浄で構造的に単純な二次元金属における超伝導の観測は、乱れのモデル化という厄介な問題なしに、競合する超伝導理論モデルを検証するモデル系をもたらすと同時に、相関電子現象やバリスティック電子輸送に基づく新種の電界効果制御型電子デバイスを可能にする。

