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微生物学:ある腸内細菌は大腸ムチンを利用するのに、ある単一のスルファターゼのみを必要とする
Nature 598, 7880 doi: 10.1038/s41586-021-03967-5
ヒトは、下部腸に生息する共生微生物の高密度群集と共進化してきた。大腸では、分泌された粘液が障壁を作って、これらの微生物を腸上皮から分離している。一部の腸内細菌は、粘液の主要な成分であるムチン糖タンパク質を栄養源として利用できる。しかし、細菌のどの酵素が、ムチンに見られる複雑なO-グリカンの分解を開始するのかは分かっていない。遠位大腸では、これらのグリカンは高度に硫酸化されているが、大腸ムチンに作用する特定のスルファターゼは見つかっていない。今回我々は、ヒト腸の共生細菌であるBacteroides thetaiotaomicronが遠位大腸のムチンO-グリカンを利用するには、スルファターゼ群が不可欠であることを示す。我々はこの細菌種によって産生される12種類のスルファターゼの活性の特徴を明らかにし、それらが共同してO-グリカンの既知の全ての硫酸結合に作用することを示す。このうち3つの酵素の結晶構造から、基質特異性の分子基盤についての機構的な手掛かりが得られた。意外にも、ある単一のスルファターゼが、in vitroにおいて硫酸化O-グリカンを利用するのに不可欠であること、そしてin vivoにおいても主要な役割を担っていることが分かった。我々の結果から、腸内細菌の1つの重要な群によるムチン分解機構についての手掛かりが得られた。この過程は、微生物の正常な腸への定着と、炎症性腸疾患などの疾患の両方に重要である。

