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コロナウイルス:2020年の米国におけるCOVID-19の疾病負荷と特徴

Nature 598, 7880 doi: 10.1038/s41586-021-03914-4

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)は2020年、世界中で医療体系や経済を崩壊させた。米国での状況は特に壊滅的で、2020年に最も多数の症例や死亡が報告された。観察された罹患率や死亡率の原因となる多くの疫学的特徴が報告されているが、米国におけるCOVID-19の全体の疾病負荷と特徴について、包括的な定量化は行われていない。今回我々は、データ駆動型モデル推論法を用いて、2020年の米国におけるパンデミックの状況を郡規模でシミュレートし、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の動態の基盤となる、時間変化する重要な疫学的特徴を推定した。米国における2020年のパンデミックは、全国的な感染確認率の割合が3月の11.3%[95%信頼区間(CI):8.3〜15.9%]から12月の24.5%(18.6〜32.3%)へ増加するという特徴を示した。年末の集団感受性は69.0%(63.6〜75.4%)で、米国の人口の約3分の1が感染したことを示している。コミュニティー感染率(感染性のある人の割合)は年末前に0.8%(0.6〜1.0%)を超え、いくつかの大都市圏では2.4%まで上昇していた。一方、感染死亡率は年末までに0.3%まで低下した。

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