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惑星科学:昼と夜の雲の非対称性が金星では原始海洋の形成を妨げたが、地球ではそうではなかった
Nature 598, 7880 doi: 10.1038/s41586-021-03873-w
地球には約40億年前から海洋があり、火星には38〜35億年前に湖や川があった。しかし、金星は現在完全に乾燥しており、全球的な表面更新事象によってその歴史の大半が隠されてしまっているため、金星表面で水が凝結したことがあるかどうかはまだ分かっていない。太陽系の地球型惑星表面において最初に水が凝結したとするのに必要な環境条件は、これまで、気候を安定化させるのに重要な大気循環や雲の影響を考慮することができない一次元数値気候モデルを用いてのみ研究されてきたため、極めて不確かであった。今回我々は、原始金星と原始地球の三次元全球気候モデルシミュレーションを用いて、太陽直下での強い水蒸気吸収のためもっぱら夜側で作られる水雲が、強い正味の温暖化効果を持つことを示す。この効果は、控えめな日射(最低で325 W m−2、つまり地球の太陽定数の0.95倍)でも表面の水の凝結を抑制する。これは、金星表面では水が一度も凝結したことはなく、その結果、海が一度も形成されなかったことを示している。さらにこれは、地球の海洋の形成には、日射が現在よりもはるかに弱くなければならなかったことを示しており、それを可能にしたのが暗い若い太陽であった。これは、現在の地球には、海水が全て大気中に蒸発した「水蒸気地球」という別の安定状態が存在することも示唆している。

