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ナノスケール材料:ナノグラフェンのスピン鎖における分数エッジ励起の観測
Nature 598, 7880 doi: 10.1038/s41586-021-03842-3
分数化は、量子系における強い相互作用によって、その構成要素にはない量子数の励起が出現する現象である。その顕著な例としては、分数量子ホール効果における電荷e/3の励起、一次元導電性ポリマーにおけるソリトン、トポロジカル超伝導体におけるマヨラナ状態が挙げられる。分数化はまた、一次元の反強磁性S = 1鎖などの低次元量子磁性体にも現れると予測されている。この系の基本的な特徴は、バルクにおけるギャップ励起と、意外なことに、鎖の末端におけるS = 1/2のエッジ状態であり、これは、根底にある対称性保護されたトポロジカル秩序を反映する四重縮退基底状態につながる。今回我々は、表面合成法を用いて、S = 1の多環式芳香族炭化水素であるトリアンギュレンを基本構成要素として含む、一次元スピン鎖を作製した。そして、4.5 Kでの走査型トンネル顕微鏡法と分光法を用い、開放端と環状のスピン鎖の両方において、長さに依存する磁気励起を原子スケールで調べ、ギャップスピン励起と分数エッジ状態を直接観測した。厳密な対角化計算から、スピン鎖が、対称性保護されたトポロジカルハルデン相におけるS = 1の双一次・双二次形式のハミルトニアンによって記述されることを示す決定的な証拠が得られた。今回の結果によって、ボトムアップの手法による純粋な有機物質の強相関相の研究が可能になり、測定に基づく量子計算の実現につながる可能性がある。

