特集:BICCN:分子的に定義された細胞タイプにおける単一ニューロンの形態学的多様性
Nature 598, 7879 doi: 10.1038/s41586-021-03941-1
樹状突起と軸索の形態は、ニューロンの入力と出力を反映しており、神経細胞タイプを定義する特徴であるが、その多様性に関する我々の知識はまだ限られている。今回我々は、脳全体の規模で単一ニューロンの完全な形態学的性質を体系的に調べるために、スパース標識法、全脳画像化、再構築、レジストレーション(対応化)、解析を網羅するパイプラインを確立した。我々は、マウスで、皮質、前障、視床、線条体、その他の脳領域に由来する1741個のニューロンを完全に再構築した。その結果、異なる形態学的特徴とそれらに一致するトランスクリプトームのアイデンティティーを持つ、11の主要な投射ニューロンタイプが特定された。これらの主要なタイプのそれぞれの中には、投射の広範な多様性が見られ、この多様性に基づいて、一部のタイプはより詳細なサブタイプにクラスター化された。この多様性は、分子的な一致、発散性あるいは収斂性の投射、軸索終末のパターン、領域特異性、トポグラフィー、個々の細胞の変動性など、軸索の長距離投射をさまざまなレベルで支配する一連の一般化可能な原理に従っていた。広範なレベルでは、投射タイプはトランスクリプトームと明確に一致しているが、非常に細かい形態学的多様性は、教師なしクラスタリングによるトランスクリプトームのサブタイプとは容易に相関しないことが多く、モード横断的な単一細胞研究の必要性が浮き彫りになった。まとめると、単一細胞の形態学的な多様性から、さまざまな細胞タイプとその個々の細胞がそれぞれの回路の構造と機能に関与し得る多数の方法が明らかになったことから、我々の研究は、細胞タイプの分類では、単一細胞の完全な解剖学的性質の定量的な記述が非常に必要であることを示している。

