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化学:σ芳香族性金属–金属結合を有する結晶性3核トリウムクラスター

Nature 598, 7879 doi: 10.1038/s41586-021-03888-3

金属–金属結合は、広く研究されている化学領域であり、数多くのd遷移金属錯体や主族錯体に及ぶ成熟した分野となっている。対照的に、結合が弱いと予想されているアクチノイド–アクチノイド結合は、今のところ、分光学的に検出された気相U2とTh2、6~7 Kの凍結マトリックス中のU2H2とU2H4、フラーレンに封入されたU2に限られている。さらに、凍結マトリックス中でトリウム–トリウム結合を形成する試みでは、ThHnn = 1~4)しか得られていない。従って、通常の条件下で単離可能なアクチノイド–アクチノイド結合は存在しない。計算による研究では、d遷移金属類似体と同様の局在化したσ結合、π結合、δ結合のモデルに重点を置いて、アクチノイド–アクチノイド結合の考え得る性質が調べられてきたが、相対論的領域の予測は困難であり、実験的にもまだ確認されていない。今回我々は、通常の実験条件下で合成・単離された結晶性クラスター中のトリウム–トリウム結合について報告する。このクラスターは、反磁性閉殻一重項基底状態を示し、これまでの理論予測の焦点とは逆の原子価非局在化3中心2電子σ芳香族性結合を有する。今回のアクチノイドσ芳香族性結合の実験的発見によって主族金属類似体とd遷移金属類似体が増え、これにより、非局在化σ芳香族性結合が周期表の最も重い元素や主量子数6まで拡張され、複雑なアクチノイド–アクチノイド結合を作る新しい方法が得られる。

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