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物性物理学:2層グラフェンの軌道磁性によって駆動される量子異常ホール八重項
Nature 598, 7879 doi: 10.1038/s41586-021-03849-w
ゼロ磁場でカイラルバンドトポロジーが巨視的に現れる量子異常ホール(QAH)効果は、トポロジカル絶縁体の磁気ドーピングやモアレヘテロ構造の精巧な設計によってしか実験的に実現されていない。しかし、磁気ドーピングやモアレ設計を行っていない一見単純な2層グラフェンには、QAH効果を持つ競合する秩序状態が存在するとかねてから予測されてきた。今回我々は、2 e2 h−1(eは電子電荷、hはプランク定数)のコンダクタンスを示す2層グラフェンにおいて、異常に小さい磁場と最高5 Kの温度まで存続するだけでなく、磁気ヒステリシスも示す状態について調べた。まとめると、得られた実験的特徴は、電場や磁場だけでなく電荷の符号によって調節可能な、軌道磁性駆動QAHの挙動を示す有力な証拠となる。今回観測されたQAH相の八重項はこれまでの観測結果とは大きく異なっており、これは、量子化された異常な電荷ホール挙動、スピンホール挙動、バレーホール挙動、スピン・バレーホール挙動を特徴とする、特異なフェリ磁性秩序やフェリ誘電性秩序に起因している。

