Perspective

材料科学:機械式コンピューティング

Nature 598, 7879 doi: 10.1038/s41586-021-03623-y

機械的機構は、数千年にわたって情報の処理に使われており、その有名な例は、古代ギリシャのアンティキティラ島の機械からチャールズ・バベッジの解析機関まで多岐にわたる。もっと後の時代になると、小型化や集積化の可能性がより高いことから、計算や情報処理を電子的に行う形態がこうした機械的な形態を凌駕するようになった。しかし最近は、情報処理、材料科学、ロボット工学の概念を融合させた従来にないコンピューティング手法がいくつか登場しており、これによって、環境と相互作用し適応することで従来の電子コンピューティングを増強する、新しい機械式コンピューティングシステムの可能性が高まっている。本論文で我々は、適応可能な材料や構造が分散型情報処理ネットワークとして機能し、強度や剛性などの従来の材料特性に加えて情報処理を材料特性として捉えることのできる枠組みを視野に入れ、情報を処理する手段としての機械的機構とそれに伴う非線形性の使用について検討する。我々は、機械システムにおいてデジタル論理を抽象化する方法に重点を置き、こうしたシステムが従来の電子コンピューティングとどのように異なるかを考察して、それらがもたらす課題と可能性を浮き彫りにする。

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