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構造生物学:アデノシンA1受容体を介した鎮痛の正のアロステリック機構

Nature 597, 7877 doi: 10.1038/s41586-021-03897-2

アデノシンA1受容体(A1R)は、神経因性疼痛の治療に使われる非オピオイド鎮痛薬の治療標的として有望である。しかし、鎮痛性オルソステリックA1Rアゴニストは、標的だけに作用する十分な選択性を欠くことに加えて、組織以外への悪影響があるため、その開発は成功していない。今回我々は、A1Rの正のアロステリック調節薬である[2-アミノ-4-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)チオフェン-3-イル)(4-クロロフェニル)メタノン](MIPS521)が、神経因性疼痛のあるラットの脊髄で起こる内因性アデノシン濃度上昇を調節することにより、in vivoで鎮痛効果を示すことを明らかにする。我々はまた、アデノシンとMIPS521とGi2ヘテロ三量体に共結合したA1Rの構造を示し、ヘリックスの外側にあって脂質–界面活性剤に面している、アロステリック結合ポケット(膜貫通ヘリックス1、6、7を含む)の存在を明らかにする。分子動力学シミュレーションとリガンド結合反応速度実験の結果は、アデノシンと受容体とGタンパク質の複合体をMIPS521が安定化するという機構を裏付けている。この研究は、疾病の状況に特異的な非オピオイド鎮痛薬を、構造に基づくアロステリック薬として設計することの概念実証となっている。

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