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免疫学:改変型IL-2部分アゴニストはCD8+ T細胞の幹細胞性を促進する
Nature 597, 7877 doi: 10.1038/s41586-021-03861-0
抗原特異的なT細胞の養子移入は、がん免疫療法における大きな進歩であり、一部の患者ではロバストな臨床転帰を示す。移入されたT細胞の数やその分化状態は、いずれも有効な応答の重要な決定要因である。T細胞は、T細胞受容体(TCR)を介する刺激とインターロイキン2によって増殖させることができるが、これはエフェクターT細胞への分化を招いて治療効果の低下につながる可能性がある。一方で、養子移入の前に、より幹細胞様の状態に維持することは有益である。今回我々は、改変型インターロイキン2部分アゴニストであるH9Tが、最終分化を誘導することなくCD8+ T細胞の増殖を促進することを示す。H9Tは、STAT5シグナル伝達の変化を引き起こし、下流の転写、エピジェネティック、代謝に関して異なるプログラムを仲介した。加えて、H9Tで処理をしたところ、TCF-1(T cell transcription factor 1)の発現が維持され、ミトコトンドリアの適応度が高まり、これによって幹細胞様状態の維持が促進された。さらに、H9Tによって増殖させたTCRトランスジェニックやキメラ抗原受容体で改変したCD8+ T細胞は、黒色腫や急性リンパ芽球性白血病のマウスモデルにおいて、in vivoでロバストな抗腫瘍活性を示した。従って、特有の性質を持つ改変型サイトカインバリアントは、臨床へのトランスレーションの可能性を持つ新たな分子を作り出す上で有望な戦略となる。

