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構造生物学:ジオバクター属細菌の線毛の構造から明らかになった、ナノワイヤー的ではなく分泌的な挙動

Nature 597, 7876 doi: 10.1038/s41586-021-03857-w

ジオバクター属細菌による細胞外電子伝達は、微生物ナノワイヤーとして知られる細胞表面の付属器官を介して行われていて、幅広い環境現象においてだけでなく、生物学的環境修復やバイオエネルギー、バイオ燃料、生体電子工学での応用についても重要である。2005年以来ずっと、このようなナノワイヤーはPilA-Nタンパク質のみで構成されるIV型線毛と考えられてきた。しかし、以前の構造学的解析から、細胞外電子伝達の際には、細胞は線毛ではなく、シトクロムOmcSやOmcZからなるナノワイヤーを生成することが明らかになっている。今回我々は、ジオバクター属の細菌であるGeobacter sulfurreducensが、PilA-NをPilA-Cへと結合させてヘテロ二量体線毛を構築し、これが、細胞外電子伝達を必要とするナノワイヤー生成条件下ではペリプラスムにとどまることを示す。クライオ電子顕微鏡によって、PilA-NのC末端残基がPilA-Cとの共重合(PilA-N–Cを形成する)を安定化していることが明らかになった。これは、静電的および疎水的な相互作用を介しており、PilA-Cはフィラメントの外表面に沿って配置されている。PilA-N–Cフィラメントは芳香族側鎖のπスタッキングを欠いていて、OmcZナノワイヤーに比べると2万倍低い伝導度を示す。細胞表面に提示されるIV型線毛とは対照的に、PilA-N–Cフィラメントは、構造、機能および局在場所が2型分泌偽線毛に似ている。pilA-Nを欠損させるとOmcSおよびOmcZナノワイヤーの分泌が起こらなくなり、PilA-N–Cフィラメントが再構築されると分泌が回復した。pilA-Nを他の微生物のIV型線毛で置換しても、OmcZナノワイヤーの分泌は起こらなくなった。原核生物の主な門は全て、IV型線毛に似た系を使っているので、このナノワイヤー輸送装置は、多様な電子伝達微生物の進化や広がりを明らかにしたり、合成タンパク質ナノワイヤーを設計するためのナノワイヤー集合構造を決定したりする上で、広く影響を与える可能性がある。

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