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遺伝学:体細胞変異から推測されるヒト発生の大規模な系統関係
Nature 597, 7876 doi: 10.1038/s41586-021-03790-y
ヒトの体の全ての細胞は、接合子から始まって、継続的に変異を獲得していく。異なる細胞間で共有されている変異は、それらが共通の前駆細胞から生じたことを意味するため、そうした変異は細胞系譜を追跡するための天然のマーカーとなる。今回我々は、3人の成人から得た正常組織について、レーザーキャプチャーマイクロダイセクション法で採取した計511の試料の全ゲノム塩基配列解読を行い、それらの大規模な系統関係を再構築した。系統の同一世代に再構築された胚性前駆細胞が成体に寄与する程度は、多くの場合ばらついていた。この非対称性の程度は個体間で異なり、接合子の再構築された2つの娘細胞の割合は、60:40から93:7まで幅があった。非対称性はその後の世代にも及び、同一個体内でも組織間で異なる場合があることが分かった。得られた一連の系統関係は、組織の空間的な胚性パターン形成を解像しており、これによって、直近の胚性細胞に由来する成体の結腸上皮における平均301の陰窩の隣接パッチと、脳発生における空間的影響が明らかになった。我々は、さらに10人の男性のデータを用いて、体細胞と生殖細胞系列の間の発生的な分岐を調べ、始源生殖細胞への胚体外の寄与を示唆する結果を得た。本研究は、最終的に同じ組織パターンに到達するものの、初期のボトルネックと細胞系譜拘束が、個体内および個体間の両方において胚性パターンの顕著な多様性につながることを明らかにしている。

