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遺伝学:体細胞変異から推定される初期ヒト胚形成におけるクローン動態
Nature 597, 7876 doi: 10.1038/s41586-021-03786-8
ヒト胚形成の初期における細胞動態と運命決定は、ヒト胚での研究の実施が難しいためにほとんど分かっていない。今回我々は、最近死亡した成人ドナー7人のさまざまな解剖学的部位から得た、単一細胞に由来する334コロニーの全ゲノム塩基配列解読と、379のバルク組織の高深度標的塩基配列解読を行った。我々は、体細胞変異を固有のバーコードとして用いて、初期の細胞の系統発生を再構築し、以下のことを実証した。(1)内因性の変異率は、最初の細胞分裂の方が高いが、その後生涯にわたって細胞分裂ごとに細胞当たり約1個に減少する;(2)初期細胞の胚本体への普遍的で不均一な寄与は、胚内の胚盤葉上層細胞を確率論的に確保する初期の細胞ボトルネックに起因している;(3)体の左側と右側の組織間、異なる胚葉間、特定の解剖学的部位や器官の間にさまざまな程度の初期クローン不均衡が見られる例がある;(4)血液および肝臓の成人細胞プールにかなりの寄与をすることになる少数の祖先細胞が出現する;(5)受精卵にミトコンドリアDNAのヘテロプラスミーが存在している。我々の手法はまた、正常な体細胞における加齢に伴う変異過程および性染色体の喪失についての手掛かりをもたらす。まとめると今回の研究は、ヒト胚形成における細胞の系統発生を完全に明らかにするための今後の研究の基盤となるものである。

