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神経科学:長期の社会的孤立はショウジョウバエで飢餓信号を送り睡眠を損なわせる

Nature 597, 7875 doi: 10.1038/s41586-021-03837-0

社会的孤立や孤独は公衆衛生に大きな影響を及ぼす。社会心理学の研究から、持続的な孤独が有害な健康状態につながる重要な要因として、睡眠の質の低下が示唆されている。睡眠・覚醒制御の研究では、動物モデルでの実験的操作が広く行われてきたが、社会的孤立によって正常な睡眠がどのように乱されるかは分かっていない。今回我々は、ショウジョウバエ(Drosophila)で、長期の社会的孤立は睡眠を損なわせるが、短期の社会的孤立ではそうした影響がないことを示す。我々は、定量的行動解析とトランスクリプトームプロファイリングを用いて、短期および長期の社会的孤立と関連する脳状態を区別した。ショウジョウバエの餌へのアクセスは制限されていないにもかかわらず、長期の社会的孤立は代謝遺伝子の発現を変化させ、飢餓を知らせる脳状態を誘導した。長期間隔離された個体は食餌の過剰摂取を伴う睡眠の減少を示し、これは、ヒトでの孤独に関連した過食症に関する事例的な知見を連想させる。長期の社会的孤立は、ハエ脳の扇状体のペプチド作動性の柱状ニューロン(コラム細胞)の活動を介して、睡眠の減少と摂食の促進をもたらすことが分かった。これらのニューロンを人為的に活性化すると、短期の社会的孤立を長期の社会的孤立と誤って認識するようになり、結果として睡眠減少と摂食増加につながった。これらの結果は、長期の社会的孤立と代謝と睡眠の間の機構的関連を示すものであり、これによって長く求められてきた孤独の研究用の動物モデルが提示された。

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