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エネルギー科学:1.5°Cの世界で採取できない化石燃料
Nature 597, 7875 doi: 10.1038/s41586-021-03821-8
2015年のパリ協定の締約国は、産業革命以前と比較して地球温暖化を2°Cをはるかに下回る温度に制限し、温度上昇を1.5°Cに制限する取り組みを追求することを誓約した。しかし、化石燃料は世界のエネルギーシステムを支配し続けており、温度上昇を1.5°C未満に保つには、化石燃料の使用の急激な削減を実現する必要がある。今回我々は、世界エネルギーシステムモデルを用いて、温暖化が1.5°Cに制限される確率を50%にするのに、地域的および全球的に地中に残す必要があると思われる化石燃料の量を評価した。その結果、2050年まででは、1.5°Cの炭素収支内に維持するには、石油と化石メタンガスの60%近くと石炭の90%を採取しないままにしておかなければならないことが見いだされた。これは、特に石油の場合、2°Cの炭素収支で採取できない化石燃料の見積もりを大幅に上回るもので、これには埋蔵量のさらに25%を採取せずにしておかなければならない。さらに我々は、全球的に石油とガスの生産を2050年まで毎年3%削減する必要があると推定する。これは、大半の地域の生産が現在または今後10年以内にピークに達する必要があることを示唆しており、これに則すれば、現在進行中あるいは今後計画されている化石燃料プロジェクトの多くは実行できなくなる。温暖化が1.5°Cに制限される確率を50%以上にするには、より多くの炭素を地中にとどめる必要があり、大規模な負の排出技術のタイムリーな展開に関して不確かさがあるため、我々の提示する必要とされる生産の変化はおそらく過小評価であると思われる。

