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がん:頭頸部がん患者でのHPV特異的B細胞応答の特徴を明らかにする
Nature 597, 7875 doi: 10.1038/s41586-020-2931-3
腫瘍にはB細胞と形質細胞が含まれていることが多いが、これらの腫瘍内B細胞の抗原特異性についてはよく分かっていない。本研究では、ヒトパピローマウイルス(HPV)陽性頭頸部がん患者の検体中においてHPV特異的なB細胞応答が検出され、この応答はin situでのHPV特異的IgG抗体の活発な産生を伴っていることを示す。HPV特異的抗体を分泌する細胞(ASC)は腫瘍微小環境内に存在していて、インフルエンザ特異的細胞のバイスタンダー誘導はごく少なく、局所的で抗原特異的なASC応答であると考えられる。HPV特異的ASC応答は、血漿IgGの力価と相関しており、HPVタンパク質のE2、E6、E7を対象としていて、E2に対して最も強い応答を示した。我々は、腫瘍内のB細胞と形質細胞を用いて、複数のHPV特異的ヒトモノクローナル抗体を作らせた。これらには体細胞高頻度変異が非常に多く見られ、これは慢性的な抗原曝露と一致する。単一細胞RNA塩基配列解読解析では、腫瘍微小環境内で活性化B細胞、胚中心B細胞およびASCが検出された。腫瘍実質と比較すると、B細胞とASCは腫瘍間質に選択的に局在しており、十分に形成された活性化B細胞のクラスターが見られ、これは胚中心反応が進行中であることを示している。まとめると、腫瘍微小環境内では抗原特異的な活性化B細胞や胚中心B細胞に加えて、形質細胞が見つかることが明らかになった。我々の知見は、ヒトがんでの体液性免疫応答の理解を進めるものであり、腫瘍浸潤B細胞が治療薬開発に使える可能性を示唆している。

