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環境科学:全球の森林の枯れ木の分解に対する昆虫の寄与
Nature 597, 7874 doi: 10.1038/s41586-021-03740-8
枯れ木に蓄えられている炭素の量は、全球の森林炭素貯蔵量の約8%に相当する。枯れ木の分解は主に気候によって支配されており、微生物や昆虫などの分解者群は分解速度の変動に寄与している。全球規模では、枯れ木の分解と炭素の放出に対する昆虫の寄与は、ほとんど解明されていない。本論文では、6大陸の55か所の林地における木材分解の野外実験の結果を報告する。我々は、枯れ木の分解速度は温度とともに上昇し、温度の影響は高降水量で最も強くなることを見いだした。分解速度に対する降水量の影響は、低温では負、高温では正であった。昆虫は、直接の消費と、微生物との相互作用を介した間接的な影響を含む正味の影響として、熱帯林で分解を加速させていることが分かった(年間の質量損失の中央値は3.9%)。温帯林では年間の質量損失の中央値が0.9%という弱い正の影響が、北方林では同−0.1%という弱い負の影響が見いだされた。さらに我々は、実験結果から導き出した分解関数を、実測データとリモートセンシングデータから合成した枯れ木の炭素量の全球地図に当てはめ、枯れ木から放出される炭素量は全球で年間10.9 ± 3.2ペタグラムに上り、その93%が熱帯林から生じているという推定値を得た。昆虫による全球的な正味の影響は、枯れ木からの炭素フラックスの29%を占めている可能性があり、これは、枯れ木の分解と炭素循環における昆虫の機能的重要性を示唆している。

