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神経科学:オキシトシンニューロンは母性行動の社会的伝達を可能にする
Nature 596, 7873 doi: 10.1038/s41586-021-03814-7
母親による子の保護(母性保護)は、非生物学的な親によるものも含めて、子孫の生存に重要である。視床下部室傍核(PVN)から分泌されるオキシトシンは、重要な母性ホルモンである。マウスにおいて、オキシトシンは、母親が仔の苦痛を認識するための聴覚皮質の神経可塑性を可能にする。しかし、確実な母性保護のために、親としての最初の経験が視床下部のシグナル伝達と皮質の可塑性を促進する仕組みについては不明である。今回我々は、経験を積んだ母マウスおよびその産仔と同居させた未交尾雌マウスの行動を継続的にモニターした。また、この記録手法では、未交尾雌のPVN(オキシトシンニューロンを含む)からの神経記録も同期させた。その結果、経験を積んだ母親が未交尾雌を巣に導いて仔マウスの回収行動を実演し、未交尾雌が母性保護に参加させられると、これらの細胞が活性化することが分かった。未交尾雌が母親による回収行動を視覚的に観察することでも、PVNオキシトシンニューロンは活性化され、母親以外による養育が促進された。このように、齧歯類は社会的伝達による母性行動の獲得が可能であり、これによって、保護を行う成体の脳を新生仔のニーズに適応させる、内因性のオキシトシンを介した機構が明らかになった。

