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構造生物学:テトラヒメナ完全長リボザイムの分解能3.1 Åでのクライオ電子顕微鏡構造
Nature 596, 7873 doi: 10.1038/s41586-021-03803-w
単粒子クライオ電子顕微鏡法(単粒子クライオEM)は、タンパク質構造を原子分解能で決定するための標準的な技術となった。しかし、タンパク質を含まないRNAのクライオEM研究はまだ始まったばかりである。繊毛虫テトラヒメナの一種であるTetrahymena thermophilaのグループI自己スプライシングイントロンは、最初に発見されたリボザイムであり、RNAの触媒反応や構造機能相関研究の重要なモデル系となってきたが、その完全な構造はまだ分かっていない。今回我々は、テトラヒメナの完全長リボザイムについて、基質結合状態と基質なしの状態の3.1 Å分解能でのクライオEM構造を報告する。新たに解像された周辺領域は、同軸上に積み重なった2本のヘリックスを形成しており、これらは触媒コアの周りを囲む2つのキッシングループシュードノットにより相互に連結していて、(我々の知る限りでは)これまで予想されたことのない三次相互作用を含んでいる。リボザイムの全体構造は、基質の有無にかかわらずほぼ同一であり、内部のガイド配列とグアノシン結合部位のみが、RNA基質との結合により、それぞれ、大きなコンホメーション変化と局所的な移動を起こす。これらの結果は、典型的なRNA酵素に対して長らく求められていた構造学的見方をもたらし、リボザイムでの構造機能相関のクライオEMを基盤とする研究の新たな時代を知らせるものである。

