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がん:細胞分裂する持続生残がん細胞は異なるプログラムを持つ系譜から生じる
Nature 596, 7873 doi: 10.1038/s41586-021-03796-6
近年、がん治療失敗の重要な駆動要因となる非遺伝的機構がいくつか明らかになっており、こうした機構では、一部のがん細胞が、治療に応答して可逆的な薬剤抵抗性を持つ持続生残(persister)状態に進入し得る。ほとんどの持続生残がん細胞は薬剤存在下では停止状態にあるが、まれなサブセットは構成的な薬剤治療中にも細胞周期に再進入することができる。薬剤存在下でも持続生残がん細胞が増殖能を維持できるようにする非遺伝的機構については、ほとんど分かっていない。今回我々は、この一過的な抵抗性と増殖性を持つまれな持続生残細胞集団を研究するために、高度に複雑なバーコードを発現するレンチウイルスライブラリーであるWatermelonを開発し、それぞれの細胞クローン起源と、増殖や転写の状態を同時に追跡した。その結果、細胞分裂する持続生残細胞と細胞分裂しない持続生残細胞は、異なる転写プログラムと代謝プログラムを持つ異なる細胞系譜から生じることが明らかになった。抗酸化遺伝子プログラムの上方調節と脂肪酸酸化への代謝的移行は、複数のタイプのがんで持続生残細胞の増殖能と関連していた。酸化ストレスや代謝再プログラム化を妨げると、細胞分裂する持続生残細胞の割合が変化した。ヒトの腫瘍では、細胞分裂する持続生残細胞と関連するプログラムは、複数の標的療法に応答して、最小限の残存病変で誘導される。このWatermelonシステムにより、薬剤圧下で選択的に増殖できるまれな持続生残細胞系譜の特定が可能になり、従って、標的にすることで病気の再発を遅らせたり妨ぐことさえ可能にする新たな脆弱性が明らかになった。

