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ナノスケール材料:折りたたみのない大面積単結晶単層グラフェン

Nature 596, 7873 doi: 10.1038/s41586-021-03753-3

金属基板への炭素含有前駆体の化学気相成長は現在のところ、大面積で高品質なグラフェン膜のスケーラブルな合成への最も有望な方法である。しかし、この方法で得られた膜には通常、結晶粒界、付加層(adlayer)を伴う領域、しわ、折りたたみといった欠陥がいくらか存在し、こうした欠陥は全て、さまざまな用途においてグラフェンの性能を低下させる可能性がある。結晶粒界や付加層が生じないようにする方法について多くの研究が行われてきたが、グラフェンの折りたたみについてはあまり調べられていない。今回我々は、単結晶Cu–Ni(111)箔上にエチレン前駆体から成長させたグラフェン膜のしわ/折りたたみ形成過程を調べた。その結果、その温度を超えるとそれに続く冷却過程で折りたたみが自然に生じる、臨界成長温度(1030 K)が見いだされた。具体的には、冷却時の熱収縮によって蓄積された圧縮応力が、約1030 Kで箔のステップバンチングが急激に始まると解放され、これが、ステップ端方向に対して垂直なグラフェンの折りたたみの形成を誘発する。初期成長温度を1000〜1030 Kに制限すると、高品質で折りたたみのない大面積の単結晶単層グラフェン膜を作製できる。得られた膜は、非常に均一な輸送特性を示し、この膜から作製した電界効果トランジスターの室温における平均キャリア移動度は、正孔と電子で共に約(7.0 ± 1.0) × 103 cm2 V−1 sec−1であった。また、この過程はスケーラブルでもあり、平行に重ねた複数の箔上に同一品質のグラフェンを同時に成長させることができる。箔からグラフェン膜を電気化学的に転写した後、箔自体は、さらなるグラフェンの成長に実質的に何回でも再利用できる。

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