Article

天文学:高速電波バーストにおける低周波数側に120 MHzまでのクロマティックな周期的活動

Nature 596, 7873 doi: 10.1038/s41586-021-03724-8

高速電波バースト(FRB)は銀河系外の天体物理学的なトランジェントであり、その明るさを示すには、継続時間がミリ秒程度の短いバーストを生じるのに十分な、高エネルギーだがコンパクトな放射源が必要とされる。これまでFRBは、8 GHz〜300 MHzの周波数で検出されているが、さらに低い周波数の放射はまだ見つかっていない。一部のFRBは反復し、最も頻繁に検出されるFRBの1つであるFRB 20180916Bの周期は16.35日である。本論文では、広い範囲の波長(10倍以上)にわたる同時観測の電波データを用いて、FRB 20180916Bの放射は低周波数側に120 MHzまで達し、その活動窓が周波数に依存する(つまりクロマティックである)ことを示す。この窓は、周波数が高いほど狭く、また時間的に早くなる。連星系における星風の相互作用モデルでは、周波数が高いほど活動窓が広くなると予測され、これは今回の観測結果とは正反対である。周期全体に及ぶ観測から、16.3日という周期性は偽信号ではないことが示された。我々は、低周波数のFRB放射が、局所的な媒質から脱し得ることを明らかにする。フルエンスが同一のバーストの場合、FRB 20180916Bは1.4 GHzよりも200 MHz未満で活動的である。我々は、今回の結果と、150 MHzでの全天のFRB出現率のこれまでの上限を組み合わせて、50 Jy msを超えるFRBが毎日全天に3~450個出現することを見いだした。我々のクロマティックな観測結果は、強力な星風による吸収がFRBの周期性を生み出すというシナリオを強く否定している。我々は、一部のFRBは、低周波数の放射を吸収したり散乱したりしない「清浄な」環境で発見されることを実証している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度