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分子生物学:Prp5がmRNA前駆体の分岐部位を校正する仕組みについての構造的考察

Nature 596, 7871 doi: 10.1038/s41586-021-03789-5

メッセンジャーRNA前駆体(pre-mRNA)からイントロンを切り出すスプライシングの際には、U2核内低分子リボ核タンパク質(snRNP)がスプライソソームA複合体に安定に組み込まれる必要がある。この過程はほとんど解明されていないが、多段階で起こり、DEADボックスヘリカーゼであるPrp5によって促進される。この過程では、核内低分子RNA(snRNA)であるU2がmRNA前駆体の分岐部位とRNA二本鎖を形成し(U2–BSヘリックス)、これはこの段階でPrp5により校正されるが、その機構は不明である。今回我々は、アクチンのmRNA前駆体で分岐部位のアデノシン(BS-A)を欠失させる、もしくは分岐部位の塩基配列を変異させることによって、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)抽出物中でのスプライソソームの形成をA複合体の形成直前で停止させた。次に、この新たに見つかった形成中間体の三次元構造を、クライオ電子顕微鏡によって決定した。得られた構造から、このA複合体前駆体ではすでにU2–BSヘリックスが形成されているものの、まだHsh155タンパク質のHEATドメイン(Hsh155HEAT)によって固定されておらず、開いたコンホメーションをとっていることが明らかになった。また、この構造から、A複合体の形成の際にU1 snRNPとU2 snRNPの大規模なリモデリング/再配置が起こっていること、この動きはその後U4/U6.U5 tri-snRNPが結合するのに必要だが、A複合体前駆体ではPrp5の存在によってこの再配置が妨げられることが明らかになった。これらの知見は、U2–BSヘリックスの突き出したBS-A部分にHsh155HEATが結合すると、それが引き金となってHsh155HEATが閉じ、それによってPrp5の結合が不安定になることを示唆している。従って、Prp5は分岐部位に誤りがないかを間接的に校正していて、もしも分岐部位の変異によってHsh155HEATのリモデリングが妨げられるようなら、スプライソソームの形成を阻害する。我々のデータによって、スプライソソームのヘリカーゼがmRNA前駆体のスプライシングの忠実度を高める仕組みについて、構造面からの手掛かりが得られた。

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