老化:ユビキチン化されたプロテオームの再配線は線虫で老化を決定する
Nature 596, 7871 doi: 10.1038/s41586-021-03781-z
老化は細胞の完全性が失われることで引き起こされる。ユビキチン修飾が細胞機能に主要な役割を担っていることから、今回我々は、線虫の一種Caenorhabditis elegansで、全プロテオームユビキチンシグネチャーを定量化することにより、ユビキチン化と老化の間のつながりを評価した。その結果、老化の際にユビキチン化プロテオームのリモデリングが起こり、これは食餌制限やインスリンシグナル伝達低下などの寿命延長パラダイムにより改善されることが明らかになった。重要なことに、老化によって、脱ユビキチン化酵素活性の増加が引き金となるユビキチン化の全体的喪失が起こる。ユビキチン化によって、タンパク質はプロテアソームによる認識のためにタグ付けされることから、根本的な疑問は、標的化された分解の障害が寿命に影響を与えるかどうかである。我々は、プロテアソーム異常の線虫からのデータを統合することで、ユビキチン化とその後の分解の低下により老化に伴って蓄積するプロテアソーム標的を明らかにした。老化により調節異常の起こるプロテアソーム標的のレベルを低下させると寿命が延長したが、それらの分解を阻害すると寿命が短くなった。我々は、プロテアソーム標的として、IFB-2中間径フィラメントとRACシグナル伝達モジュレーターのEPS-8などを見いだした。IFB-2レベルを増加させると腸の完全性の低下と細菌定着が促進された一方、EPS-8の発現を上昇させると、筋肉とニューロンでRACが過剰活性化され、アクチン細胞骨格とタンパク質キナーゼJNKの変化が引き起こされた。以上をまとめると、組織全体での構造タンパク質や調節タンパク質を標的とした分解における老化に関連した変化が、寿命を決定すると考えられる。

