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神経科学:さまざまな発生段階のコネクトームは脳成熟の原理を明らかにする

Nature 596, 7871 doi: 10.1038/s41586-021-03778-8

動物の神経系は、誕生から成体に至るまでの体の成長、および行動の成熟に従って変化していく。しかし、そのコネクトームにおける神経回路再編成の形式や規模については、解明されていない。今回我々は、連続切片電子顕微鏡法を用い、線虫の一種Caenorhabditis elegansで、孵化後さまざまな発生段階にある同質遺伝子の8個体の脳全体を再構築し、それらが齢によってどのように変化するか検討した。その結果、脳全体の形状は発生過程を通して維持されているが、そうした一定の足場上ではシナプス結合の化学的性質に相当な変化が生じることが分かった。コネクトームの個体間の比較から、接続性にかなりの差異が見られ、それによって各個体の脳が部分的に特異なものになっていることが明らかになった。また、コネクトームの異なる成熟段階間の比較では、異なるニューロン間で結合の変化が一定であることが示された。こうした変化によって、既存の結合の強度が変わり、新たな結合が生み出される。そして、ネットワークの総体的変化によって、情報処理過程が変化する。発生過程において、中心的な意思決定回路は維持されるのに対し、感覚と運動の経路は大きく再編成される。成長に伴い、脳は漸進的によりフィードフォワード性になり、モジュール性が目に見えて高まる。このように、発生コネクトミクスによって、脳成熟の根底にある原理が明らかになる。

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