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進化学:更新世の堆積物中のDNAから明らかになった、デニソワ洞窟におけるヒト族および動物相の入れ替わり
Nature 595, 7867 doi: 10.1038/s41586-021-03675-0
シベリア南部のデニソワ洞窟は、ネアンデルタール人に近縁な古代ヒト族集団であるデニソワ人のタイプ産地である。この洞窟の堆積物から出土した12体のヒト族遺骸には、ネアンデルタール人や、ネアンデルタール人とデニソワ人の子どものものも含まれており、これは、デニソワ洞窟がこれら2つの古代ヒト族集団間の接触領域であったことを示唆している。しかし、これらの集団がこの場所に出現した順序、ヒト族居住の時期および環境的背景、特定のヒト族集団と考古学的遺物との関連性は、依然として不確かである。本論文では、更新世の堆積層から格子状の方式で収集した、堆積物試料728点のDNA解析結果について報告する。我々は、685点の試料から古代の動物相のミトコンドリアDNA(mtDNA)を、175点の試料から古代ヒト族のmtDNAを回収した。ヒト族mtDNAの最古の証拠はデニソワ人のもので、これは約25万~17万年前の中期旧石器時代前期の石器と関連付けられた。一方、ネアンデルタール人のmtDNAが最初に現れたのはこの時代の終わり頃だった。また、デニソワ人のmtDNAには動物相mtDNAの組成変化と同時期の入れ替わりが見いだされ、デニソワ人とネアンデルタール人がこの洞窟に繰り返し居住した証拠も得られた。こうした繰り返しの居住は、現生人類のmtDNAがこの堆積層で最初に記録されている、少なくとも4万5000年前の後期旧石器時代初頭の始まりまで、あるいはその後にわたって続いた可能性がある。

