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遺伝学:転写切り替えは心疾患における繊維芽細胞の活性化を支配する

Nature 595, 7867 doi: 10.1038/s41586-021-03674-1

疾患のある器官において、ストレスによって活性化されるシグナル伝達カスケードはクロマチンを変化させ、それによって不適応な細胞状態の移行が引き起こされる。繊維芽細胞の活性化は組織でよく見られるストレス応答で、肺、肝臓、腎臓、心臓の疾患を悪化させるが、その機構的基盤はいまだ不明である。BET(bromodomain and extra-terminal domain)タンパク質の薬理学的阻害は心機能不全を軽減し、治療手法の候補として、心臓細胞の状態を研究したり調節したりするためのツールとなる。今回我々は、BET阻害剤に動的に曝露された心臓の単一細胞エピゲノム解析を用いて、繊維芽細胞活性化の原因となる可逆的な転写切り替えを明らかにする。心臓に常在する繊維芽細胞は、BET阻害剤への曝露や心機能と直接的に相関する様式で、静止状態と活性化状態の間のロバストな切り替えを示した。単一細胞クロマチン接近性からは、これまでに報告されたことのないDNAエレメントが明らかになり、その接近性は心機能と動的に相関していた。最も動的なエレメントの中には、転写因子MEOX1を調節するエンハンサーがあった。MEOX1は活性化された繊維芽細胞で特異的に発現しており、広範な繊維化遺伝子プログラムの推定的な調節エレメントを占有し、TGFβにより誘導される繊維芽細胞活性化に必要であった。エンハンサー内の最も動的な唯一のシスエレメントをCRISPRで選択的に抑制すると、TGFβが誘導するMeox1活性化が阻害された。我々は、MEOX1が、心機能不全と関連した繊維芽細胞活性化の中心的な調節因子であることを明らかにし、ヒトの肺、肝臓、腎臓の繊維芽細胞の活性化後にMEOX1の発現が上昇することを示す。組織繊維芽細胞におけるMEOX1のBET依存的な調節の可塑性と特異性は、繊維症治療においてこれまで知られていなかったトランスとシスの標的となる。

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