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神経筋疾患:Dok7先天性筋無力症の疾患機構と抗体治療
Nature 595, 7867 doi: 10.1038/s41586-021-03672-3
先天性筋無力症(CM)は深刻な神経筋疾患であり、主に神経筋シナプスの形成と維持に非常に重要なアダプタータンパク質DOK7の変異により引き起こされる。この疾患を引き起こす最も一般的な変異(DOK71124_1127 dup)はDOK7のC末端の欠損変異で、これに伴い2つのチロシン残基が欠損する。これらのチロシン残基は本来、リン酸化修飾を受けていて、シナプスでのアセチルコリン受容体の繋留に重要なCRKタンパク質を動員する。今回我々は、CMのマウスモデル(Dok7CMマウス)と、2つのチロシン残基のみに点変異を持つマウス(Dok72YF)を作製した。Dok7CMマウスにおいては、神経筋シナプス形成に重度の異常が見られ、新生仔致死が引き起こされることが分かった。予想外なことにDok72YFには異常が見られず、これらの異常は、DOK7のチロシンリン酸化の欠損ではなく、筋特異的キナーゼ(MUSK)のリン酸化の低下とそれに伴う不活化により引き起こされることが分かった。我々は、MUSKに対するアゴニスト抗体を開発し、これらの抗体をDok7CMマウスに投与したところ、神経筋シナプス形成の回復が見られ、新生仔致死と遅発性疾患が予防されることが示された。これらの知見は、疾患の予想外の原因を特定するとともに、DOK7 CMに加えて、AGRIN、LRP4あるいはMUSKの変異によって引き起こされるCMにも有望な治療法を明らかにし、さまざまな先天性致死を標的療法により救済できる可能性を示している。

