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神経科学:微生物相は脳内のストレス応答ニューロンを介して社会行動を調節する

Nature 595, 7867 doi: 10.1038/s41586-021-03669-y

動物間の社会的相互作用は、交尾、育仔、防御などの必須な行動を媒介する。マウスでは、腸内微生物相が社会活動に寄与するが、こうした複雑な行動を調節する腸–脳相関やその根底にある神経基盤は解明されていない。今回我々は、雄マウスにおいて、マイクロバイオームが脳の特定領域のニューロン活動を調整して、標準的なストレス応答や社会行動を調節していることを示す。無菌マウスや抗生物質を投与したマウスにおける社会的な逸脱は、ストレスホルモンのコルチコステロンのレベル上昇と関連付けられた。コルチコステロンは主として、視床下部–下垂体–副腎(HPA)軸の活性化によって産生される。副腎の摘出、グルココルチコイド受容体の拮抗作用、コルチコステロン合成の薬理学的阻害は、マイクロバイオームの枯渇による社会性障害を効果的に是正した。特定の脳領域でグルココルチコイド受容体を遺伝学的に除去したり、視床下部傍室核でコルチコトロピン分泌ホルモン(CRH)を産生するニューロンを化学遺伝学的に不活化すると、抗生物質処理マウスで社会性障害が回復した。これに対し、視床下部傍室核でCRH発現ニューロンを特異的に活性化すると、通常のマイクロバイオームを持つマウスで社会性障害が引き起こされた。我々は、マイクロバイオームのプロファイリングとin vivo選択によって、腸球菌のEnterococcus faecalisが、社会活動を促進し、社会的ストレス後のコルチコステロンのレベルを低下させることを突き止めた。これらの結果は、特定の腸内細菌がHPA軸系の活性化を抑制し得ることを示唆しており、マイクロバイオームが、脳内でストレス応答を媒介する個別の神経回路を介して社会行動に影響を及ぼし得ることを示している。

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