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分子生物学:プロモーターのアンチセンスRNAの形がリガンドの誘発する転写活性化を調節する
Nature 595, 7867 doi: 10.1038/s41586-021-03589-x
哺乳類ゲノム中の長鎖ノンコーディングRNAの転写プログラムのサイズから、長鎖ノンコーディングRNA、特にプロモーターアンチセンス(PAS)転写産物の持つ生物学的役割について議論が起こっている。今回我々は、ゲノム中のRNAの分布を定量的に検出できる分析法(RNA–Cas13a複合体によるクロマチン単離法と呼ぶ)を開発した。この分析法により、PAS RNAが広範な転写一時停止解除プログラムの重要なゲートキーパーとして働いていることが明らかになった。この働きは、7SK核内低分子RNA依存性の阻害性P-TEFb複合体の排除を基盤としている。リガンドが結合したERαによるPAS RNAの誘導によって、H3K9me3がかなりの量失われ、活性化された標的遺伝子プロモーターの所に、基本状態で動員されていたHP1αとKAP1が放出される。この放出は、H3K9me3デメチラーゼがPAS RNAに依存して動員されることによって起こり、これには同様な調節を受けているPAS RNAのはっきりした特徴である小型のステムループ構造との相互作用が必要である。ERαに結合したMegaTransエンハンサーの活性化は強固な一時停止の解除に不可欠で、これにはリン酸化されたKAP1の動員が必要であり、KAP1が対応するプロモーターに移行すると17β-エストラジオールが誘発する一時停止解除と標的遺伝子の活性化が可能になる。この研究によって、遺伝子調節におけるPAS RNAの機能を仲介する、RNAの構造に基づいた機構が明らかになった。

